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公開日:2017年5月9日

いつのことだっだでしょうか。ほんのつい最近のことだったと思います。あるリピーターの方がいらっしゃいました。正直、沢山のリピーターの方々にご参加いただき、大変嬉しく思っております。過去10年間のハワイ島大巡礼パワースポットアドベンチャーの歴史の中では、なんと9回目とおっしゃるお方が御二組もお出でになって、また来年!と笑顔でお別れさせて頂いたのもつい最近のことです。

何故に同じツアーコースを何度も何度もご体験されるのでしょうか。はっきり申しまして、今のところ答えは分かっております。それはとりもなおさず、このポハク西田の安否をご心配されてのこと。大丈夫かな西田君は、元気でやっているかな、また破天荒なことをしているのではなかろうか、行って叱ってやらねばなるまいか、などなど心あるお客樣方の親心一心でございますよ。

さても昨日のリピーターの方にちょっとこんな風に尋ねてみました。

「沢山のリピーターの方のご心配はひとえにポハクの私生活の進展あるいは変化でございます。前回はシングルファーザーだったよ、とか、三年前は恋に悩んでいたよとか、トライアスロンに夢中だったよとか、紙芝居屋を始めるのだとか、家庭出産の日が近づいているとか、剣道を始めたとか、様々のものですが、今回御参加なさって頂いて、何か前回と比べ変化をお感じになられましたでしょうか。」

ツアー車両中央の席におかけになっていらっしゃったそのお方はお答えになりました。

「ポハクさん、抜けたわよ、すっごく明るい!!」

私は言葉をお返しして、

「これはこれはなんと喜ばしいお言葉でございましょうか。おかげさまで前回はとても暗く、陰鬱なツアーをあいにく提供させて頂いたということですね、何とも恐縮の極み今は思い出されぬその日のお客様みなさまに、衷心よりお詫び申し上げます。」

お客様は、明るくお笑いになって、

「はははっ、前回も楽しかったわよ、でも今回は何かがちがう感じ。なんかこう、そうなの、抜けてしまった感じなのよ、一体何があったのかしら。」

これはとても重要なご質問です。ですからこう申しました。

「それは僕にとりましても誠に興味深いポイントですね。もしお客様のお感じになっていらっしゃることが真実であれば、そうですね・・少し考えてみます・・」

キラウエア火山を快速で下りながらプナルウ黒砂海岸へ向かう道すがら、マウナロアがその長い尾根を車窓右手にのばしています。ぼんやりとお話すべき答えのようなものが浮かび上がってまいりましたので、口を開きました。

「それでは一体何がこのポハクに起こったのでしょうか。きっとあの方との出会いが大きかったと思います。その日そのお方はごく普通の感じの熟年女性としてお見受け致しておりました。しかしアカカの滝の原生林をぶらぶらとみなさまご一緒にお散歩中、そのお方はさりげなく、小生に、ガイドさん何年このお仕事なさってるの。このパワースポットアドベンチャーツアーは5年ですが、ハワイ島でツアーガイドは14年になりましたね。と笑顔でお答え致しました。するとそのお方はお話しされます。そうなんですか。私は顔相が分かるのよ。別に勉強した訳とちがうけど、お顔を見るとその人のことが分かってしまうのです。ガイドさんあなたは本当に一生懸命みんなを楽しませてあげようと頑張ってくれている。おかげさまで私らもとても楽しい旅をさせてもらってます。でもみんなの幸せのために働く、そのあなた自身は実は幸せではないわね。」

一瞬そのお方の目に釘ずけになりたる小生は、はっきりと申しました。お見事、よくぞご看破なされました。と。それからはいろいろとほかのお客様へのご案内や説明に追われ、そのお方と直接お話をさせて頂く機会がございませんでしたが、帰路車中が寝静まって、ケアラケクアを通過している時に運転席の真後ろから再びその方のお声が。

「ガイドさん、お疲れではないですか、大丈夫ですか、ガムあげましょか。」

と優しく聞こえてまいりました。

「はい、全く大丈夫でございますゆえ、何卒ご安心くださいませ。ところで、おねえ様、先ほどのご指導のことですが、こんなに僕はいろんな機会に恵まれ、何でも好きなことをやらせて頂いているにもかかわらず、自分で申し上げるのもおこがましい限りですが、懸命に何事にも努力を惜しまず、命をかける思いで様々なことに臨んでいるつもりであるにもかかわらず、どうして心の底から、幸せになれないのでしょう。どうして満足できないのでしょう。何かお言葉を頂けますか。」

何ぶん運転中でしたのでそのお方の方を振り向くことは出来ませんが、柔らかいご表情が心に浮かんでおりました。そしてゆっくりとおっしゃいますようには、

「そうやねえ、あんたにはひとつ足らないものがある・・」

何が足らないのでございましょうか。45歳、相当いろいろと心象の旅路を踏んできたつもりでいた小生にかようなお言葉。正直言って、わずかな反感に似た思いが心をやや曇らせ過ぎ去ってゆきます。そしてしばらくフロントガラスに向かっては消えてゆく薄暗い宵闇を照らす対向車のヘッドライトを眺めていました。

「足らんもんがある。それは、おねえ様一体なんですか。ぜひお教えくださいませ。」

とお願い致しますと、少し間ををおいた後お答えが後ろから返ってまいります。

「それはねえ、感謝や。あんたはまだ感謝が足らん。」

あまりにも聞き慣れたそのお言葉にむしろ唖然の感もなきにしもあらず、しかしそれがかえって真実みをずばりと醸し出しているようでもございました。

「感謝ですか。」

「そうや感謝や。」

「私はねえ、もう74やけどね、若いときにはやっぱり分からなんだ。自分か生きていると思うてたよ。せやけどな、だんだん年を取ってきて、いろいろと出来ないことや忘れることが増えてくると、残念で悲しく仕方がない。こうやって人間は老いてゆく、そうやって、母も老いて行ったんやなあと思う。母も同じように、自分がだんだん弱って行くことを口にしてたわ。でもね、そこで私はある朝気付いたんよ。ああ目が覚めた。何とありがたいことやろ。思わずお布団の中で手を合わせました。ご飯をいただく時は、何とありがたいことかと、よく味わって頂くようになりました。こんな私、もうそろそろお迎えもくるやろうに、そう。お迎えまで来て下さるなんて何とありがたいことやろ。何から何まで面倒見てもろて何ともったいないことやろと思います。孫がバーバと言って嬉しそうに来てくれて、手もつないでくれて、ああ何と素晴らしいことやろああ何と楽しいことやろああ、ありがたい、ああ。ありがとうですわ。風が吹いてもありがとう。雨に降られてもありがとう。道で会う人とにっこりありがとう。犬を見てもそう思う。猫が塀の上で居眠りしとっても、バスが停留所に止まってくれる、空は広いし、夕焼け小焼けや。一番星お月さん。何から何までなんでもありがたい。まだまだ一人て歩けるし、こうやって旅行にも来させてもらえるし、えらいこっちゃな。ホテルではふかふかのベッドで休ませてもらえるねえ。1日いろんなことが知らぬ間に起こっては楽しかったねえ。私は何もさせてもろてないのに夜はふかふかのお布団の中で、休ませて頂ける。たまに先に逝った主人の顔が浮かびます。よう働いてくれて、御蔭さまで逝った後でも面倒見てもろてます。お礼のしようがありません。娘息子も立派にやってるし、よう気を付けてくれますしねえ。涙もあふれて目を閉じて、ああ、ありがとうと思うと、すうーっとしてもう何もかもないのよ。もう何も分からんの。そしてまた目が覚める。私は毎日朝一番にいのちをいただいているのです。あんたはまだ若い。まだまだこれからや。そんな苦しんでいては大変大変。年取ってから感謝するのではそれまで大変やで。そんな苦しんでいたら申し訳ないと思わんか。もらったものや。あんたのものとちがうで。せっかくこんなハワイに住まわせてもらって、ええ仕事ももろて、奥さんも子供さんもみんな元気で養わせてもろて、何から何まで御蔭さまばっかりとちがうか。」

小生は幼いころより、お年寄りのお話を聞くのが上手な子と言われていました。

「おねえ様、確かに、確かにその通りなんですよ。でもどうしても満足できません。これでもか、これでもだめかと。」

後ろの席で、お鼻をかまれたおねえ様は、しばらくしてひとことお聞き返しあそばされますが、その間にコナコーヒー地帯に入りましたのでそろそろお休み中の皆さんをお起こしして、日系人の奇跡のコーヒーの歴史をご案内する時間だと思った矢先、満足ってなんですか。とおねえ様があらためてお尋ねになりました。そしてその後、小生のうちに今も響いておりますお言葉を頂戴致しました。

「御蔭さまと思ったら、感謝がわくよね、感謝わいたら何かお返ししたいと思うやろ。満足が欲しいは単なる愚痴や。かたじけないと思わないですか。あんたは感謝が足らんからそういうことになる。自分でやってると思ってしまう。分かったつもりになってしまう。」

その夜、閉め切った自室にろうそく一本を灯しまして、久しぶりに正座合掌。ほーっと息をついた後、目を閉じ、心を込めて、ありがとうございますと3回唱えた私は、実にそのまま泣き崩れてしまったのです。おそらくこれではないかと思ったり致しておりまするが、いかがでございましょうか、お答えになっておりましたか。

第1話あんたはまだ感謝がたらん おわり

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ポハク西田
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